岐阜・清流里山公園で愉しむ味巡り。
旅に出るなら、その地のこだわりの味を存分に堪能したいもの。今週末は特に予定がないことに気づき、会社の同期を誘って1泊2日の旅に出かけることに。名古屋から40分ほど車を走らせ向かったのは、グルメな先輩からおすすめしてもらった岐阜県美濃加茂市。
まずは、先輩が「豆腐に初めて感動したお店 ! 」と教えてくれた、手作り豆腐をメインとした食事が楽しめる「東風谷(とうふや)」で昼食をとることに。
まずは、先輩が「豆腐に初めて感動したお店 ! 」と教えてくれた、手作り豆腐をメインとした食事が楽しめる「東風谷(とうふや)」で昼食をとることに。
地域に長年愛される、
豆腐づくしのランチを堪能。
注文すると、こだわりの前菜たちでぎゅうぎゅうのお盆が運ばれてきた。目の前でできあがる熱々の豆腐、肉厚なのにとろけるような湯葉…行列もできるほどの人気店というのも納得だ。
一番楽しみだった厚揚げは、外はカリッと中はなめらか ! 店主の若尾さんは、“今まで食べたことのないような厚揚げをつくりたい”という想いから、豆のブレンドにまでこだわり、この食感と舌触りを作り上げたのだそう。
「子どもの頃にお店にきていた方がお父さんになって、お子さんと一緒に食べに来てくれたり、世代を超えて通ってくれる方も多いんですよ」地域とのつながりを嬉しそうにお話される若尾さんを見て、お腹も心もすっかり満たされてしまった。
「子どもの頃にお店にきていた方がお父さんになって、お子さんと一緒に食べに来てくれたり、世代を超えて通ってくれる方も多いんですよ」地域とのつながりを嬉しそうにお話される若尾さんを見て、お腹も心もすっかり満たされてしまった。
地域の味が詰まった
クラフトビールで乾杯。
ホテルにチェックインした後は、あい愛バスに乗って美濃太田駅へ。向かったのは太田宿(おおたじゅく)にある、クラフトビールを販売する「美濃加茂ビール」。“現役の消防士さんがつくっているクラフトビールがある”とSNSで見かけ、友人と楽しみにしていた場所のひとつだ。
「消防士なのになぜビールのお店を?」と聞くと、“まずはビールが好きだから、というのと…” と、地域への想いをお話してくれた仙田大騎さん。
「子どもの頃は、地域の方々が僕を育ててくれたというか。子ども会や町内会に行くと『大ちゃん、大ちゃん』って声をかけてくれて。そのとき気にかけてくれた方々と同じ世代になった今、今度は僕が地域に貢献できたらいいなっていう想いが根本にあって、ビールづくりをしているんです」
「子どもの頃は、地域の方々が僕を育ててくれたというか。子ども会や町内会に行くと『大ちゃん、大ちゃん』って声をかけてくれて。そのとき気にかけてくれた方々と同じ世代になった今、今度は僕が地域に貢献できたらいいなっていう想いが根本にあって、ビールづくりをしているんです」
農家さんともつながりがある仙田さんは、傷がついて販売できない梨や糖度不足の蜂蜜などをビールに使用することでフードロス削減にも貢献しているのだとか。そんな地元の味が詰まった「梨ホワイトエール」と「蜂蜜ゴールデンエール」を二人でそれぞれ注文して飲み比べ。「こんなに味が違うんだ ! 」「フルーティーでおいしいね」と、思わず話に花が咲いた。
仙田さんから「少し先に行くと、もっと古い町並みが残っているんですよ」と聞いた私たちは、散歩がてら向かってみることに。昔ながらの電気屋さんに、古い建物をリノベーションした珈琲屋さんなど、歩いているだけでも楽しい。
ホテルに戻る道中も、「ぎふ清流里山公園」で動物と触れ合ったり、近くの足湯に浸かっておしゃべりしたり。予定を詰め込まないのもいい旅だね、とゆったりした時間が流れる。夜は道の駅にある温泉で体をあたため、ふかふかのベッドに寝転んだら、いつの間にかぐっすりだった。
幻のお米で、
ほっこり朝ご飯。
いつもよりちょっぴり早起きし向かったのはホテルの方のおすすめ、米農家の“春見ライス”(かすみライス)が直営する「のうかいちば 旬」。岐阜県銘柄の「ハツシモ」はほぼ県内で消費され、他県に出回らないことから“幻の米”と呼ばれているそう。
「粒が大きくコシヒカリほど粘りはないけれど、冷めても味が落ちないのがハツシモ最大の特徴なんですよ」と、春見さん。そんなハツシモを使ったおにぎりは、午前中には売り切れてしまうほど大人気なんだとか。
一番人気は玄米入りのおにぎりで、具にもこだわりが。焼き鮭、焼き鯖、牛肉など、毎日一から地元のお母さんたちが調理しているそう。「すごく料理が上手な方がいて、おにぎりに合うように味付けも工夫してくれているんです」。おにぎりは固くならないよう、お母さんたちがやさしくふんわりと握っていると聞いて、よりいっそう美味しく感じた。
一番人気は玄米入りのおにぎりで、具にもこだわりが。焼き鮭、焼き鯖、牛肉など、毎日一から地元のお母さんたちが調理しているそう。「すごく料理が上手な方がいて、おにぎりに合うように味付けも工夫してくれているんです」。おにぎりは固くならないよう、お母さんたちがやさしくふんわりと握っていると聞いて、よりいっそう美味しく感じた。
作り手の熱い想いが込められた味を堪能した1泊2日の旅。それぞれの地元に対する想いを聞いたことでおいしさも増し、私たち二人にとってより思い出深い味になった。おいしいものはたくさんあれど、愛情あふれるやさしい味は、いつでも食べられるものじゃないと気づく。ちょっとひと息つきたいときは、あたたかい気持ちになれるこの場所に足を運ぼう。