世界で初めてクロマグロ完全養殖に成功した串本町でマグロ養殖体験を!

和歌山串本

案内役の山崎氏
待合所
丸八水産 美紀丸
餌のイワシ
餌に食いつく養殖マグロ

和歌山県串本町と言えば、言わずと知れた国の天然記念物「橋杭岩」が頭に思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか?

そして本州最南端である和歌山県潮岬のすぐ北に位置する串本漁港エリアは、黒潮の恩恵を受ける為真冬でもそれほど水温が低下しない事もあり、1年を通して釣りを楽しむ人が多く訪れる新鮮な魚介がとても美味しいエリアでもあります。

美味しい魚が日常的に食べられる串本町の方々が羨ましい限りですが、特に日本人に人気の「マグロ」が新鮮な状態で様々な飲食店で頂ける現状は、観光客としても大変嬉しい一面だと感じます。

そんな「マグロ」ですが、近年では過剰な漁獲により天然マグロの絶滅が危惧されている状況にあるそうです。

そんな危機を回避する為の技術発展として「養殖」が発展した背景がある訳ですが、ここ串本町は世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功した場所である事をご存じですか?

クロマグロは通称「本マグロ」呼ばれ(こちらの名称の方がピンとくる人は多いでしょう)、「海のダイヤ」とも称される高級魚。

このマグロの完全養殖成功までの歴史は、1970年にまで遡ります。

30年以上の研究を重ね、失敗を繰り返しながら2002年串本町大島にある近畿大学水産研究所の実験場において、世界で初めて「クロマグロ」の完全養殖に成功したそうです。

一般的に「養殖」と言うと、天然の稚魚を捕獲して育て上げるというイメージが浮かぶと思いますが、完全養殖というのは卵から孵化した赤ちゃん魚を稚魚→若魚→親魚まで育て上げ、その親魚から産卵させるサイクルを繰り返す事を言います。

言葉では簡単に言えますが、成功を収めるまでには相当な苦労があったという話を伺いました。

この研究が成功した事で、減り続ける天然マグロを捕獲することなくクロマグロを市場に供給する事が可能になったのですから、それはそれは社会貢献度の高い成果だと思います。

天然マグロの過剰な漁獲問題と、世界に類を見ないマグロ好きの日本人が子や孫の世代に残す為にはこの問題をどうにかして解決しなければ・・・

そんな想いがあったからこそ研究の成果が出たと言えるのではないでしょうか。

前置きが少し長くなりましたが、このマグロ養殖を実際に養殖場に伺い餌やりを体験出来る企画を「串本町観光協会」が窓口となって展開しているんです。

マグロ養殖体験

体験する為の集合場所は、フェアフィールド・バイ・マリオット・和歌山串本から車で20分程の紀伊大島にある田代漁港エリア。

Googleで串本町大島1797と打ち込めば辿り着く事が出来ます。

現場には「本マグロ 養殖体験 待合所」という目立った建物が現れるので、迷う事はないかと思います。

実際にマグロ養殖体験をご案内頂き、色々とお世話になったのが山崎さん。

まずは待合所で山崎さんから「串本町がマグロの完全養殖を世界で初めて成功させるに至った経緯」や「マグロの種類や習性」など、How To マグロについてのレクチャーを受けます。

大多数の日本人がマグロって大好きだと思うけど、実際自分が口にしているマグロが「天然なのか養殖なのか」「捕獲エリアはどの場所で何マグロなのか」・・・

そんな事を把握している人って一体どれくらいいるでしょうか?

山崎さん自身、外国の方が串本町を訪れた際に「日本人て本当にマグロが大好きだけどマグロに詳しい人ってあまりいないよね」と言われた事があるそう。

居酒屋でも和食やでも、飲食店に行けば当たり前のようにメニューに「マグロ」が載ってるのが普通の感覚を持っている日本人ですが、「天然と養殖の違い」「漁獲量問題」そんな問題意識を持って有難みを感じながら食さないといけないな・・・

山崎さんからの話や養殖体験を通じてそんな気持ちになりました。

マグロ養殖体験が、ある意味で食育の問題提起にもなるんだなぁという気付きにもなりました。

いざ養殖場へ!!

漁港から山崎さんが運転する丸八水産の「美紀丸」へ乗り込み10分程の場所へ移動しますが、結構風が強いので体感的には寒さを感じるので防寒はしっかり目にしておくのがおススメです。

マグロが養殖されている生簀の大きな特徴は、その形が大きな円形状になっている点。

なぜ丸いのか?

過去に四角い生簀で養殖していた時もあったそうですが、泳ぎながら角にぶつかって死んでしまうマグロが多発したそう。

マグロは生まれてから亡くなるまで一生泳ぎ続ける遠洋性回遊魚と呼ばれるそうですが、グルグル回って泳ぐ習性に着目した結果、四角ではなく円形状にした事で生存率の向上に繋がったそう。

現場に到着すると船を生簀に横付けし、餌となるイワシを網ですくって生簀目がけて思いっ切り投げ入れます!

結構見た目より力のいる作業です。

ちなみにこの餌となるイワシですが、普通に人間が食す事が出来るクオリティの高い贅沢なものなんだとか。

そうなんです!養殖に掛かる餌代ってかなり膨大なものになるんですって!

何の根拠もなく「天然」「養殖」の2種類のマグロを比較すると、何故か天然の方が美味しいよね!という認識を持っている人が多いのが現実。

天然だから養殖よりも美味しいという認識は、必ずしも絶対ではありません。

勿論好みの問題もありますが、天然物は時期によっては脂が乗っていなかったり、脂より赤身が多い個体もあったりします。

一方で養殖は水温調整や餌もクオリティの高いものを選んで与える事が出来る為、年間を通じて安定した味が作れるんだそう。

水揚げする際の処理の技術向上も鮮度を保つ上で重要になります。

なぜならマグロは、興奮すると自らの体温を上昇させ乳酸値を上げる性質があり、これが身の鮮度を下げてしまうそう。

対処として水揚げ時に電気ショックを与えて瞬殺し、船上で3分以内に神経抜きや血抜き、内臓除去などの処理を行ってすぐに氷水で冷やしマグロの鮮度を保っている。

完全養殖を成功させるまでにはとてつもない時間と労力が費やされてきた経緯を知る事が出来ます。

色々な背景を知った上で体験をすると、目の前で水しぶきを上げながら餌を食べるマグロの群れを目の当たりにする様子は、かなり臨場感があって迫力もなかなかのものです。

今回のマグロ養殖体験を通じて、今まで当たり前に食卓に並んでいた「マグロ」が天然なのか?養殖なのか?種類は何マグロなのか?

最低でもそれ位の事は意識しながらマグロを口にするマインドに変わりました。

フェアフィールド・バイ・マリオットホテルでは、色々な場所でファミリーが宿泊している様子を拝見しますが、串本町に宿泊する際はお子様の食育にもなる養殖マグロ体験を是非体験してみて欲しい。